Special 真綿の世界 真綿の作り方 袋真綿
「糸とり1年、真綿かけ3年」と言われるように、良い真綿作りは生糸作りより長い年月を必要とします。真綿は機械を使わずに手間暇かけて丁寧に作り上げるものなので、作る人の気持ちがそのまま真綿にこめられています。幾千年もの間、変わることなく大事に受け継がれてきた手作り真綿は、遠い祖先が残した大切なメッセージを今に伝える伝達者なのかもしれません。だから真綿には温かく、やさしく、懐かしさを感じさせるものがあるのではないでしょうか。
繭を袋に入れて、ぬるま湯または清水に1時間以上浸けておきます。
沸騰したお湯に重曹を入れ、よく掻き混ぜて溶かします。
袋に入れたまま繭を鍋に入れ、中蓋に重しを載せ、中火で1時間程ふっくらと煮あげます。
※ 繭が均一に煮えるように途中で袋を上下に返します。
煮上がった繭を袋ごと鍋から引き上げてザルに移します。
盥に水を沢山入れて、袋ごと繭を入れて、重曹や汚水をよく洗い流します。
繭の水気をよく切り、繭どうしがもつれ合わないように1粒ずつ分けておきます。
※ 洗い流すときには直接強い水が当たらないようにしましょう。
水の中で1粒ずつ2本の指で軽く叩きながら5cm位の大きさにします。
繭層の薄い部分を指で口を開き、三角形に引き伸ばします。
左指3本に裏返して掛け、表に現れた蛹や脱皮殻を取り除きます。
同様に6〜7粒をその上に重ねていきます。
袋状になった繭に拳を入れて引き伸ばしながら、左右の拳を交互に入れて巾15cm長さ30cmの大きさにします。
手に掛けたまま水の中で形を整えます。
水の中から引き上げて袋の中に息を吹き込みます。
二つ折りにして圧して水を絞ります。
竿にかけて陰干しします。
1〜2日間乾燥させて出来上がります。
丁寧に元のように広げます。
※ 繭を伸ばす時には水の中でしましょう。
乾燥した真綿をきれいに束ねます。