Special  公募  真綿のウェア  第2回受賞作品

今回で2回目を迎える「真綿素材のウェア&ホームリネンズ」公募、新たにホームリネンズ部門を加え184点の応募を得た。プロフェッショナルからアマチュアまで、常連、新人の混じる中、作品の一つの傾向としてスタイル、デザインの重複、新鮮味に欠け、グランプリをはじめとする諸賞の審査は難航し、準グランプリを2点選出する事になった。真綿素材の加工、取り扱い方にもパターン化が見られ、技術も画一化して来ている。そんな中、前田泉氏の「流露」には新鮮な技術が感じられた。素材作り、カッティング、染色、細部にまで渡る入念な仕上げ、それら全てが完成されてこそアピールを大いにする作品となることでしょう。マンネリ化を脱皮し、ユニークで驚きのある作品の出現を期待しながら…(評:川合多喜子)

準グランプリ賞

「流 露」前田 泉
縦50×横50cm
「流露」とは内にある物をかくさずに表す事。という意味通り私の全てを表現しました。真綿はコーヒーで染め紡ぎ車で糸にし、カギ棒で編みました。素材から作る楽しさと幸せな気持ちを再確認致しました。

準グランプリ賞

「ウェディングショール」七字 良枝 縦50×横180cm 真綿の白の美しさを生かしウエディング用に作りました。洋装・和装どちらにも合うようデザインしました。

ホームリネンズ部門賞

ベット・メイク・アップ・ランナー「マイ・ビーチ」
渡名喜 はるみ
縦225×横40cm
ワンルームのようなベットがすぐに来客の目に入るようなレイアウトの場合、生活感を消そうとベットカバーで包んでしまうとかえって存在感が出てしまう、そのような時に無地のベットカバーの上にランナーをかける事でメイクアップ効果をねらう。寝る時も波音と真綿のしじまの中で豊かな夢を見る。

佳作

「真綿につつまれて」栄 光枝
サイズ:M
子供の頃、寒くなると母が着物のはし布の絹と真綿でエリマキを作ってくれたことが私の真綿の思い出です。私は真綿と絹で服を作れたらどんなに暖かくて肌触りのよい服が出来るのか、キルトパッチワークを入れて作ってみました。

佳作

「Transformation」野路 都
縦50×横180cm
多くの素材を使い対比させることで、より絹の素材感を出したいと考えました。繊維が糸になり、その糸を編み生まれる素材の変容を楽しみながら作りました。

佳作

「ベットカバー」後藤 和子
縦128×横195cm
地元のりんごの樹の枝とヒバのチップス材で真綿を染めてみました。この色合いと真綿の肌ざわりを生かしたベットカバーを作ってみたいと思い立ちフェルトの技法を使ってみました。大きさとの闘いでしたが、帯状の布を格子状に組み合わせて少しずつ大きくしていくことで上手くいったと思います。ブランケットとして使うこともできます。