Special  公募  真綿のヴィジュアル・アート公募  第21回受賞作品

昨年の20回記念展に引き続き2回目の審査をさせていただきました。昨年は記念展という事もあり、多くの出品作と多彩な表現にやや戸惑いながらの審査でしたが、色々な表現を見るうちに真綿のもつ、素材としての奥深さを感じさせられました。今年は記念展に比べ少ないものの90余点の出品を見る事が出来ました。それぞれの作品のコンセプトと表現力そして真綿をどのように使い、効果的に用いた造形表現として表されているかを注視した審査となりました。
真綿と他の素材との組み合わせによる作品が殆どですが、真綿のもつ柔らかさや軽やかさを損なわず表現した作品が選考されていると思います。又、音や動きを取り入れた作品も見受けられましたが、その完成度を重要視しました。今回の出品には、若い方も多く参加して下さいました。これからも意欲溢れる多くの作品が集まる楽しい展示となることを期待します。(評:豊福 誠)

日本真綿協会賞

「とらわれているということは
とらわれていないということ」
サイズ:76.2×106.4cm
柳川眞美恵
木の枝と真綿で作った文字は「金剛般若波羅蜜経」(抜粋)です。経の名は金剛石(ダイヤモンド)の強さで煩悩を断つ、般若波羅蜜(智慧の完成)の経の意味です。柔らかくしなやかで強い真綿と共通する精神性と特性を感じます。真綿という初めての素材との出会いに、わくわくしました。使ってみるとふわふわ丸める、輪にする、長く伸ばしてきつく枝に巻くなど幾通りにも変化してくれる事が楽しく、繭玉を加えて更にその変化を楽しませていただきました

織り染め賞

「not tied」
サイズ:46×55×137cm
伊藤日向子
「真綿で首をしめる」ような日々。何かに縛られる人々。でも首にしめるネクタイだって、人の首に縛られるのはもう、うんざり!野生になったネクタイはだれをも縛らず縛られず今日からひとり立ちします。

フロスシルク賞

「bloom」
サイズ:70×65×160cm
金森七海
真綿の繊細な表情は、真綿を張らせた時に最も美しく表れると思い、花びらをたくさん作り、一つの花を作ろうと思いました。私は、花には堂々とした美しさを感じます。その美しさを、繭を破って花開くイメージで、表現できるように努力しました。

奨励賞

「生まれる出る」
サイズ:72.8×51.5cm
花田梨奈
真綿という素材を知ったとき、私は生命が成長した後に残った、まるで人が生きて、最後に残るお骨のようだと思いました。そして、そんな真綿を用いた作品は、いろんなものや思いが交じり合って別の何かに生まれ変わろうとしています。そういった私の、真綿という未知の素材を用いて織るという不安感や好奇心、楽しさを、ウールやナイロンテグスなどの異なる素材を組み合わせることによって表現しました。

ウェア部門賞

「織り姫」
サイズ:80×38cm
安藤佑介
真綿の手紬糸を織り、シンプルなワンピースに仕立てました。薔薇のコサージュの位置を変える事により、服の表情の変化を楽しめます。